どうも、AZZIです。
最近よく目にするヤフーニュースの1つに"半導体不足"があります。
実際に"半導体不足"は起きているのでしょうか?
正解は、「Yes」になります。(先に結論言いましたけど、この先も読んでくださいね)
半導体不足の敗者は誰か?
半導体不足とはいっても、誰かが確保しているからこそ誰かが不足しているはずです。
どの業界が半導体不足のダメージを受けているのでしょうか?
ニュース記事をみると、「半導体不足による、〜自動車の減産」や、「半導体不足による、〜モータースのラインストップ」のように特に自動車業界が煽りをくっている様子です。
パワーバランスを考えれば、半導体の需要がある業界のなかでは最も巨大な産業であるはずの自動車業界が、半導体を入手できないことを理由にラインストップまで追い込まれている時点で半導体不足確定です。
なぜ自動車業界が半導体を入手できていないのか?
しかし、実に不思議な現象です。
なぜなら、新型コロナウイルス以前は半導体の供給先の最優先は自動車でありました。
どこの会社の有価証券報告書を確認しても、自動車関連への売上拡大的な内容の文章が冒頭にあるのが常でした。
では、なぜ今状況が変わってしまったのか。
半導体不足の最大要因はコロナウイルス!?
新型コロナウイルス発生後に、世界的なロックダウンによりほとんどのメーカーの自動車工場が操業をストップしました。
一方で在宅時間の増加により、テレワーク関連ではPCを筆頭にウェブカメラ、モニター、Wi-Fiルーター、自宅需要としては、エアコンの買い換え、ゲーム機(特にニンテンドーSwitch)、DIY用電動工具、電子ピアノがバカ売れしたのです。
またYou Tubeなどの動画視聴時間が増えたため、Googleなどは自社サーバーの拡充を行っています。
医療系では体温計が大変よく売れました。
これらは全て半導体が使用されています。
つまり、半導体業界全体で見れば新型コロナウイルス発生による大きな変動はないのです。(もちろん各社の戦略により多少の差はあれど)
自分で首を締めていた自動車業界
そんな中、遅れて復活したのが自動車です。
しかし、時既に遅し。
半導体はその時点でラインは余っていなかったのです。
また、自動車は安全面から自動車専用の部品しか使えません。
どういうことかと言うと、SwitchのJoy-Conが壊れて、マリオカートが曲がらなくても人は死にませんが、車のステアリングを切っても曲がらなかったら死にますよね?
つまり、Switchやパソコンから部品 横取ることも不可能です。
決定打!旭化成の工場火災
さらに追い打ちをかける事態が発生しました。
旭化成マイクロズ、いわゆるAKM、の工場火災です。
これにより各メーカーが代替品確保に奔走しました。
また、こういう状況に陥るとマスクの買いだめよろしく、部品をとりあえず確保するため生産計画外での発注が増えてきます。(計画より多かったり、あるいは計画していない先々分まで買ったりする)
今の状況がまさにこの状況なのです。
半導体不足解消の時期
ではいつまでこの逼迫した状況が続くのでしょうか。
一般的に半導体製品のリードタイムは3-4ヶ月と言われています。
長いように感じるかもしれませんが工程が多いため仕方がないのです。
ただ、現在はその倍程度には普通にかかってしまうのです。
つまり、年内は厳しい状況が続くのではないかというのが私の見立てになります。
半導体メーカーの力は国以外に抑えられない
ここからは余談ですが、最近主要各国が台湾政府に半導体を増産するよう圧力をかけているようです。
理由は最大の半導体製造企業でありEMS企業であるTSMCがあるからです。
ただ、ひとつ面白いことに、こういった半導体ベンダーへの猛プッシュは今までは自動車メーカーがやっていました。
逆に言えば、もはや自動車メーカーに権力はないと思わざる得ない場面だと私個人としては感じました。
また、様々な決算書を読んでいるとどうやら多くの半導体メーカーはこのタイミングで値上げをしてきているようです。
こうなると、誰も半導体メーカーの勢いを止めることはできないでしょう。
もちろん全ての半導体メーカーが勝ち組というわけではないので投資する際はしっかり確認した上で自己判断でお願いします。
以上